漢字を美文字に書く基本は『バランス』や『大きさ』ですが、ここではワンランク上の要素『主画』について解説します。『主画』は美文字を更にきれいに見せる為のテクニックなので、中級者以上のテクニックとお考えください。
月の1画目は払うのか?止めるのか?漢字の中に『月』がある場合の書き方です。このようなパーツごとの書き方を知っていると字形は整い美文字になります。また、字形の許容につていも解説します。
『月』は単独の場合、1画目は左払いとなります。行書などでは止めても問題ありませんが、楷書で書く場合は原則左払いとなります。
それでは、パーツの1つとして『月』が入った場合はどうでしょうか?
月は漢字のパーツになった場合、月の1画目は原則止めます。ただし、『つきへん』の場合は原則左払いになります。
青の場合、月の1画目は止めます。青が入った『清』や『晴』も同じことが言えます。ただし、左払いにしても間違いではありません。
育の場合、月の1画目は止めます。これも青と同様です。左払いにしても問題ありません。
有の場合、やはり青や育と同様に月の1画目は止めます。左払いにしても問題ありません。ただ、左払いが重複するので、あまり好ましいとは言えません。
能の場合、偏に入った月の1画目もやはり止めます。これは『龍』なども同じです。ただし、左払いにしても問題ありません。
勝の場合、勝のように『つきへん』の場合は左払いになります。行書などでは止めたりもしますが、楷書で書く場合は原則左払いになります。
字形の許容
このページでは『月』の書き方を紹介しましたが、『原則』とか『問題ない』などの表現を多用しています。これは、間違いではないということで、字形にはいろいろな形が許されているということです。漢字の字形は許容が広いのです。
どうしても許容が広いので混乱してしまいそうですが、原則を抑えていれば問題ありません。原則を知ったうえで『漢字には許容がある』と心のどこかに思っていればいいでしょう。